大学入試に英語外部試験(英検などの英語資格)を利用する大学は年々増加しています。
旺文社教育センターが統計した資料によると、2022年入試で英語外部検定(英語資格)を利用した大学は424 校となっています。
ちなみに424校というのは、大学入試実施校全体の55.6%にあたります。つまり英語外部検定(英語資格)は、全体の半数を超える大学で利用されているということになります。
英語外部試験を利用した大学数
ここでは大学入試で利用できる英語外部検定(英語資格)について、利用方法や各資格の活用度などを詳しく解説していきます。これから大学入試を迎える中高生の皆さんにとって、とても重要な情報です。ぜひ参考にしてくださいね!
大学入試で英語外部試験(英語資格)はどんな風に利用できるの?
日本国内の大学入試での英語外部検定の利用パターンは大きく分けて4つあります。
英語外部検定の利用方法
利用パターン① 出願資格
まず1つ目は『出願資格』。こちらは推薦型・総合型の入試で多く見られるパターンです。
大学に出願するにあたり、その条件として英語外部試験(英語資格)の級やスコアの保有・提示を義務づけられているパターンになります。
出願資格に利用できる英語資格(英検、GTEC、TOEICなど)、また●級以上、スコア●点以上といった級・スコアの条件は、大学や学部によって異なります。
たとえば『青山学院大学』2022年度 入学者選抜 の場合
学部:国際政治経済学部 国際政治学科・国際コミュニケーション学科
選抜分類:一般選抜/大学入学共通テスト利用入学者選抜
出願資格:
- 英検 準1級以上
- IELTS 5.0以上
- TOEFL iBT® 57点以上
利用パターン② 得点換算
2つ目は『得点換算』。こちらは一般選抜の入試で多く見られるパターンです。
保有している英語外部検定(英語資格)の級やスコアが、共通テストや大学独自のテストなど大学入試の英語試験の点数に換算されるパターンです。
たとえば、英検準2級=70点、英検2級=80点、英検準1級=100点といったように、保有している英語資格のレベルによって点数が決まります。換算率は大学・学部によって異なります。
また、英語資格を保有している場合でも、大学入試の英語テストを受検して、英語資格の換算点数と比べて良いほうの得点を採用してくれる大学もあります。
利用パターン③ 加点
3つ目は『加点』です。
こちらは、自身が保有している英語外部検定(英語資格)の級やスコアが点数に換算され、大学入試の総合点に加算されるパターンです。
たとえば、英検2級保有ならば総合点+10点、英検準1級保有ならば総合点+20点といったように、保有する英語資格のレベルに応じて加点される点数が変わります。
たとえば『成蹊大学』2022年度 入学者選抜 の場合
学部:経済学部(現代経済学科)・経営学部(総合経営学科)・法学部(法律 / 政治学科)・文学部(英語英米文学 / 国際文化学科)
選抜分類:一般選抜 G方式(2教科型グローバル教育プログラム統一)
加点:
- 英検CSE2304(準1級〜1級レベル) +50点
- 英検CSE2125(2級レベル) +45点
- 英検CSE1980(準2級〜2級レベル)+30点
- 英検CSE1825(準2級レベル)+15点
*「英検CSEスコア」は、ユニバーサルなスコア尺度CSE(Common Scale for English) を英検の各級で表記したもの。
画像引用元:日本英語検定協会HP
利用パターン④ 判定優遇・合否参考
最後は『判定優遇・合否参考』です。こちらは総合型・推薦型で見られるパターンです。
大学や学部が指定する英語外部検定の級・スコアを保有している場合、入試の合否判定の際に考慮されたり何かしら優遇されたりします。
大学入試で利用できる英語資格のレベルはどのくらい?
大学入試で求められる英語資格のレベルは、大学や学部によって異なりますが、だいたい英検準2級、2級、準1級が目安となります(下図参照)。
ただし、先に説明したとおり、英語資格のレベルは高ければ高いほど得られるメリットも大きいので、できるだけ上を目指して取得しておくと良いでしょう。
大学入試に利用できる英語外部検定(英語資格)のレベル
大学入試に有効な英語資格の取得時期は?
大学入試に有効な英語資格の取得時期は大学によって異なりますが、多くの大学が『入試または出願から遡って2年以内』としています。
取得が早すぎると再度取り直さなければならないこともあるので、取得時期には十分気をつけましょう。
また英語資格試験によっては、受検から合否判定・スコア判明までに時間を要することもあります。大学入試に英語資格を利用したいと思っている人は、入試前にバタバタしないよう余裕をもって取得しておきましょう。
大学入試での活用度が高い英語外部試験(英語資格)はどれ?
大学入試で活用できる英語外部試験(英語資格)は7つ!
2022年現在、日本の大学入試で活用できる英語資格はおもに7種類あります。
- 英検
- GTEC(ジーテック)
- TEAP(ティープ)
- IELTS(アイエルツ)
- ケンブリッジ英語検定
- TOEIC(トーイック)
- TOEFL(トーフル)
それぞれの英語資格試験の特長や試験タイプ、有効期限などは下の +詳細はこちら をタップしてくださいね。
日本の大学入試でもっとも採用率が高いのは『英検』!
では、英検、GTEC、TEAP、IELTS、ケンブリッジ英語検定、TOEIC、TOEFLのなかで、大学入試での活用度がもっとも高い英語資格はどれでしょうか。
各英語資格試験(外部検定)の採用率
『英検』の採用率は一般選抜、総合型・推薦型ともにほぼ100%
英検、GTEC、TEAP、IELTS、ケンブリッジ英語検定、TOEIC、TOEFLのなかで、最も日本の大学入試での採用率が高いのは『英検』です。
上のグラフにあるとおり、英検は一般選抜、総合型・推薦型ともに100%近い採用率を誇っています。
日本国内の大学入試で活用したいならば、英検を取得しておけばほぼ間違いないと言えるでしょう。
学校単位で受検する『GTEC』も高い採用率
英検に続くのは『GTEC』。こちらも 一般選抜94%、総合型・推薦型80%以上と高い採用率になっています。
なおGTECは、基本的に学校単位で受検する英語資格試験なので、自分が通っている学校で実施されるのであれば、ぜひ利用すると良いでしょう。
上智大×英検の共同開発テスト『TEAP』にも注目
また一般選抜に限って見ると『TEAP』も88%と高い採用率です。
TEAPは、「上智大学」と「公益財団法人 日本英語検定協会」が共同で開発した英語検定テスト。大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力(英語で資料や文献を読む・英語で講義を受ける・英語で意見を述べるなど)をより正確に測定するためのテストです。
自分が目指す大学の入学審査で採用されているか確認しよう
英検は日本国内ならば無敵!といった感じですが、とはいえ採用率は100%ではないので、自分が目指す大学・学部の入学審査に採用されているかどうか確認しておくと安心です。
大学入試に利用できる英語資格検索なら
大学受験サイト『パスナビ』が便利!
パスナビでは、英語外部試験(英語資格)を利用できる大学、そして求められる英語資格のレベルを簡単に調べることができます。
まだ志望校が決まっていなくても、まずは気になる大学名で一度検索してみてくださいね!
引用元:大学受験パスナビ(一部加工)
海外の大学への留学・進学を考えているなら別の視点が必要
もし日本の大学に入学した後、海外の大学や大学院への留学・進学を考えているなら、また別の視点での検討が必要です。
英検やGTEC、TEAPなどは日本国内の大学での採用率は高いですが、海外の大学・大学院への留学・進学を考えると活用度はぐんと下がります。
海外への進学ならば、TOEFLやIELTS、ケンブリッジ英語検定のほうが圧倒的に活用度は高くなります。そのあたりも考慮した英語資格試験の選び方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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