2022年度(令和4年度)都立高校入試から、いよいよ『中学校英語スピーキングテスト』の導入が始まります!
当初の計画では2021年度スタートの予定でしたが、新型コロナの影響もあり、1年延期しての導入となりました。
ここでは英語スピーキングテストとはどんなテストか、問題内容や評価方法、対策、都立高校入試での活用法まで詳しく紹介します! 東京都内在住の中学生のみなさん、ぜひ参考にしてくださいね。
英語スピーキングテスト(EAST-J)とは?
英語スピーキングテストとは、中学校の新学習指導要領(2021年4月〜)で求められる英語4技能「読む・書く・聞く・話す」のうち、「話す力」を評価するために実施されるテストです。
別名、ESAT-J(読み方:イーサットジェイ・English Speaking Achievement Test for Junior High School Students の略)と呼ばれています。
東京都教育委員会が主体で実施し、テストの運営は進研ゼミでおなじみのベネッセコーポレーションが行なっています。
英語スピーキングテストの対象者は誰?
英語スピーキングテストの対象者は、東京都内の公立中学校に在籍する中学3年生です。
私立・国立中学等に通う生徒、他学年の生徒、東京都以外の中学校に通う生徒などは、英語スピーキングテストの対象外となっています。
2022年11月実施予定の英語スピーキングテストでは、約8万人の都内公立中学生が受験する予定となっています。
英語スピーキングテストはどうやって受けるの?
英語スピーキングテストは、テスト専用のタブレット端末、イヤホンマイク、イヤーマフ(耳を覆う防音具)を使用して行います。
問題はタブレット端末に表示され、受験者はその問題の解答を録音します。受験者が録音した音声解答は、ベネッセ運営の採点組織(フィリピン)で採点されます。
*画像は教育庁「東京都中学校スピーキングテスト事業について」より引用
*画像は国際教育・東京ポータルのウェブサイトより引用
英語スピーキングテストはいつ・どこで実施されるの?
2022年度(令和4年度)の英語スピーキングテストの実施日は
2022年11月27日(日)
予備日:2022年12月18日(日)
を予定しています。
2023年度以降のテスト実施日はまだ発表されていませんが、おそらく毎年11月下旬頃になると予想されます。
英語スピーキングテスト 申し込み〜実施スケジュール
英語スピーキングテストの申し込みは『WEB』から行います。
申し込みに関する資料(生徒用リーフレット・申し込みマニュアル)は、在籍している中学校から配布されます(5月頃に配布予定)。学校からの配布物、指示などをしっかり確認しましょう。
2022年度実施スケジュール
2022年度(令和4年度)実施の英語スピーキングテストの申し込み期間は7月上旬〜9月上旬まで。スピーキングテストは11月27日(日)に実施され、テスト返却は翌年の令和5年1月中旬頃を予定しています。
*テスト風景画像は国際教育・東京ポータルのウェブサイトより引用
特別な配慮が必要な生徒のための『特別措置』もあり
視覚、聴覚、発達障害、きつ音、発話障害など特別な配慮が必要な生徒は、受験申し込みの前に「特別措置」を申請することができます。
*詳細は2022年5月中旬に東京都教育委員会のホームページに掲載予定
英語スピーキングテスト 実施会場
英語スピーキングテストは、都立学校(都立高校など)や民間施設等で実施されます。
*詳細は発表されていませんが、おそらく在籍している中学校ごとに実施会場が割り振られるものと予想されます。
英語スピーキングテスト(ESAT-J)の問題はどんな内容?
英語スピーキングテスト導入に向けて、2019年〜2021年の間にプレテストが3回実施されました。ここではそのプレテストで出題された問題の構成・内容を詳しく紹介します。
英語スピーキングテストの問題は4つのパートで構成
英語スピーキングテストは、PartA・B・C・Dの4パートで構成されています。
英語で書かれたパッセージの音読、イラストの読解、イラストの描写、自分の考えを話すなど、さまざまな角度で『英語を話す力』が試されます。
問題にはそれぞれ答えを準備する時間が設けられています。音読する文章を頭の中で黙読したり、質問の答えを考えたりする時間になります。
また、解答時間(音声解答を録音する制限時間)も問題ごとに決められています。
*以下、問題見本の画像は全て国際教育・東京ポータルウェブサイトより引用
Part A パッセージを音読する(2問) |
|
準備時間 | 各30秒 |
解答時間 | 各30秒 |
問題内容 | 問題数は2問。35〜45語程度のパッセージ(英文)を意味や内容が伝わるように音読する。
【問題見本】 |
Part B 質問に答える・意図を伝える(4問) |
|
準備時間 | 各10秒 |
解答時間 | 各10秒 |
問題内容 | 問題数は4問。提示されたイラスト・情報をもとに質問に答える、提示されたイラストを見て自分の考えを答える、提示されたイラストを見て自分から質問をする…など。
【問題見本】 Question: What do we need to take to the event? Question: Which one do you like the best? |
Part C ストーリーを説明する(1問) |
|
準備時間 | 30秒 |
解答時間 | 40秒 |
問題内容 | 4コマ漫画に描かれた人物の行動や状況(ストーリー)を4コマ漫画❶〜❹の流れにそって説明する。
【問題見本】 |
Part D トピックについて自分の意見を述べる(1問) |
|
準備時間 | 60秒 |
解答時間 | 40秒 |
問題内容 | あるトピックに関する英語の文章を読む、または音声を聞いた上で、質問に対する自分の意見(主張・理由)を話す。 *英語の音声を聞いてから自分の意見を答える問題もあるので、スピーキング力に加えて『リスニング力』も重要なポイントになる。 |
プレテストの問題は東京ポータルサイトでチェック!
2019年〜2021年に行われたスピーキングテスト(プレテスト)の問題は、こちら(国際教育・東京ポータル ウェブサイト)で見ることができます。解答例もついているので、ぜひチェックしてみてくださいね!
英語スピーキングテスト(ESAT-J)はどのように評価される?
英語スピーキングテストは、Part A〜Dの問題ごとに3つの観点でその到達度が評価されます(2〜5段階)。問題によって評価の観点は異なります(下表参照)。
それらの結果に基づき、最終的にA~Fの6段階で受験者のスピーキング力が評価されます。
❶コミュニケーションの達成度(2段階評価) | ❷表現の幅広さ・論理性(5段階評価) | ❸発音・イントネーション(4段階評価) | |
Part A | ー | ー | 評価対象 |
Part B | 評価対象 | ー | ー |
Part C | 評価対象 | 評価対象 | 評価対象 |
Part D | 評価対象 | 評価対象 | 評価対象 |
英語スピーキングテスト(ESAT-J)は都立高校入試にどのように活用される?
英語スピーキングテストの結果はA~Fの6段階で評価され、その評価は20点満点の点数に換算されます。
そして、その換算されたスピーキングテストの点数は、都立高校の出願時に提出する調査書(内申書)に記載されます。
評価 | 換算点(20点満点) |
A | 20点 |
B | 16点 |
C | 12点 |
D | 8点 |
E | 4点 |
F | 0点 |
つまりスピーキングテストが導入される2022年度の都立高校入試から、入試の合否は
- 学力調査(換算点:700点満点)
- 調査書(調査書点:300点満点)
- スピーキングテスト(20点満点)
を合計した総合点数(1020点満点)で判断されるということになります。
*正式には「令和5年度 東京都立高等学校入学者選抜 実施要綱」にて決定
情報元:東京都教育委員会 報道発表資料「東京都中学校英語スピーキングテスト事業について」
英語スピーキングテスト(ESAT-J)はどうやって対策すればいい?
都立高校入試に加点される英語スピーキングテストの点数は20点ですが、少ないように見えて合否を左右する重要な点数になります。
都立高校への進学を目指す人は、今からしっかり対策しておきましょう。
対策① 過去問を使って練習する
英語スピーキングテストで出題される問題は、あくまで中学校で学習する範囲の内容です。単語や表現などはそこまで難しいものではありませんが、どんな形式で出題されるのか、出題パターンに慣れておくことが大切です。
まずは過去に出題された問題(2019年〜2021年実施のプレテストの問題)に取り組んでみましょう。
過去問はこちら(国際教育・東京ポータル ウェブサイト)で見ることができます。3回分の問題がアップされているので、まずは何度か解いてみて、出題パターンをつかんでくださいね。
YouTube動画もチェック!
東京都国際教育チャンネルのYouTubeチャンネルでは、実際にテスト用のタブレット画面に表示された問題内容の動画を見ることができます。
テスト全体の流れや、各問題の準備時間・解答時間の感覚をつかむことができるので、ぜひ活用してくださいね。
令和3年度実施
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
令和2年度実施
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
令和元年度実施
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
東京都国際教育チャンネルのYouTubeチャンネルには、解答例ありの動画もアップされています。解答例を確認したい人は、こちらの動画をチェックしてくださいね。
令和3年度実施 (解答例あり)
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
令和2年度実施 (解答例あり)
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
令和元年度実施 (解答例あり)
*YouTube 東京都国際教育チャンネルより引用
対策② 無料の英語教材で練習する
英語教材サイト:Tokyo Global Studio
Tokyo Global Studio ウェブサイトより画像引用
Tokyo Global Studioは、英語スピーキングテストの主催でもある東京都教育委員会が運営している英語教材サイトです。
小学生(Beginner / Elementary)、中学生(Basic)、高校生(Interemediate)向けに、良質の英語教材(動画コンテンツ)をWebサイト上で提供しています。
動画コンテンツは、さまざま場面で使われる重要な英語表現を中心にバラエティ豊かなラインナップになっており、中学生向け(Basic)の動画コンテンツだけで『40本』もあります。
Tokyo Global Studio ウェブサイトより画像引用
動画コンテンツとセットで書き込み式のワークシートも付いています。英文の読み方のポイントなども詳しく説明されているので、ぜひ活用してくださいね!
Tokyo Global Studio ウェブサイトより画像引用
映像教材:「話すこと」トレーニング
国際教育・東京ポータルウェブサイトから画像引用
「話すこと」トレーニングは、東京都教育庁が制作・発信している中学生を対象にした英語映像教材です。
こちらの映像教材は、英語スピーキングテストの問題構成(Part A〜D)にそれぞれ対応した内容になっているので、より実践的な練習をすることができます。
トレーニング動画は、東京都教育庁が運営しているYouTubeチャンネル「東京都国際教育チャンネル」にアップされているので、ぜひ活用してくださいね。
対策③ オンライン英会話を活用する
英語のスピーキング力を高めるためには、とにかく『英語を使って話すこと』が大切です。
そこでおすすめしたいのが「オンライン英会話」です!
近頃は新型コロナの影響もあり、対面式の英会話教室ではなく、オンライン上でレッスンを受けられる「オンライン英会話」の利用者が急増しています。
子どもの利用者の増加にともない、中学生・高校生向けのレッスンコースを設定するオンライン英会話も増えてきました。
オンライン英会話は、スピーキング力はもちろん、リスニング力や文法力など総合的な英語力を高めることができるので、高校受験対策にもぴったりだと言えます。
オンライン英会話の特長
外国人の英語講師とオンライン上でマンツーマンの英会話レッスン
いつでも好きな時間にレッスンが受けられる
必要なのはネット環境とデバイス(PC・タブレットなど)だけ
費用は非常にリーズナブル(週1回レッスンで月額2600円程度)
中高生におすすめのオンライン英会話はこちらのブログ記事で紹介しています。ぜひこの機会に検討してみてくださいね!
CHECK
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高校受験や大学受験において、英語の『スピーキング力』が重要視されるようになってきました。 日本人の英語のスピーキング能力は、アジア圏で最下位レベル。これからグローバル化が進む社会で、スピーキングの力は ...
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英語スピーキングテストは事前に対策すれば大丈夫!
2022年度都立高校入試から日本国内ではじめて導入される英語スピーキングテスト。
テストに向けて不安な人も多いと思いますが、問題にはある程度パターンがあり、内容も難しいものではないので、事前に対策をしておけばそこまで心配する必要はありません。
テスト本番で100%の力が発揮できるよう、ここで紹介したテスト対策法を参考に、練習を積み重ねてくださいね!
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