受験・進学情報

地域みらい留学とは?2022年参加高校一覧・偏差値・入試倍率・かかる費用・留学イベント・学校説明会情報など総まとめ!

2022年5月18日

都会に住む中学生が地方の高校に進学(国内留学)できる「地域みらい留学」

2017年に本格的にプロジェクトが始動して以来、その動きは年々拡大。最近では、高校進学の新たな選択肢として注目されています。

このブログ記事では「地域みらい留学」について詳しく解説します。2022年参加校など最新情報も紹介するので、参考にしてくださいね!

 

地域みらい留学は地方の公立高校に国内留学できる制度

『地域みらい留学』は、自分が住んでいる地域以外の公立高校に進学できる国内留学制度です。

留学できる地域の多くは、いわゆる地方の田舎町。過疎や少子高齢化などで子どもの数が減少している地域ですが、自然や歴史、人との触れ合いなど、都会ではなかなか体験することができない貴重な教育的価値がある地域でもあります。

 

中学卒業後 3年間の国内留学「地域みらい留学 高校進学」

地域みらい留学には、大きく分けて2つの種類があります。

まず1つ目が、高校3年間を地方の高校で学ぶ「地域みらい留学 高校進学」です。

中学卒業後、留学先の公立高校に入学し、卒業までの3年間、その地域で暮らしながら高校生活を送ります。つまり、これから高校進学を迎える『中学生』が対象の国内留学制度になります。

「地域みらい留学 高校進学」で留学できる高校は、北は北海道、南は沖縄まで全国89校(2022年の場合)あります。こちらは後ほど詳しく紹介しますね。

 

高校2年・1年間限定の国内留学「地域みらい留学365 高2留学」

2つ目は、高校2年の1年間だけ地方の高校で学ぶ「地域みらい留学365 高2留学」です。

1年間(=365日)の留学なので、「地域みらい留学365」といった名称になっています。

高校2年に進級する際に、地方の高校に留学するので、これから高校2年に進級予定の『高校1年生』が対象の国内留学制度になります。

高校2年限定の「地域みらい留学365 高2留学」と、高校3年間の「地域みらい留学 高校進学」とでは、留学可能な学校やスケジュール、応募方法などが異なります。

「地域みらい留学365 高2留学」ついては、こちらのブログ記事で詳しく解説しています。地方の高校への単年留学を検討している高校生は、ぜひチェックしてくださいね!

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地域みらい留学のメリット&デメリットは?

地域みらい留学のおもなメリット

自然や文化に恵まれた環境でのびのびと学べる

留学先のほとんどは地方の田舎町なので、都会にはない本物の自然に囲まれてのびのびと高校生活を送ることができます。

地域によっては、スキーやカヌー、神楽など、その土地ならではの自然や文化を活かした部活動を行っている学校もあります。

少人数教育でチャレンジングな環境

地域みらい留学の参加校は、都会とくらべて生徒数が非常に少ない学校がほとんど。人数が少ない分、必然的に生徒一人ひとりが活躍できる場や役割を持つ機会が多くなります

マンモス校の中ではチャレンジできなかったことも、留学先なら挑戦できるチャンスが得られます。

精神面で成長できる・自律心が育つ

留学中は基本的に、寮や下宿での生活になります。

家族や親元を離れ、仲間や地域の人などさまざまな人と一緒に過ごすなかで、おのずと責任感や自律心、思いやり、コミュニケーション能力などが育まれます

視野が広がり多様な価値観が醸成される

留学先の地域では、高校という限られたコミュニティだけでなく、近隣の小中学校や地域住民などさまざまな人々との出会いがあります。

多くの人と触れ合うことで、自身の世界や視野は広がり、多様な価値観を得ることができます

地域みらい留学のおもなデメリット

大学受験を目指す人は相当の努力が必要

地域みらい留学の参加校は、地域の人だけでは定員が埋まらない高校がほとんど。なので、入学難易度の目安となる学校の偏差値はどうしても低くなります。学校の授業も大学受験を意識したものではなく、塾や予備校などの受験対策施設も周囲にない場合が多いでしょう。

大学進学を目指す人にとって、受験対策という面では適した環境とは言えませんが、本人のやる気さえあれば独学で取り組むことはもちろん可能です。

学校の先生に個別にフォローをお願いしたり、現在ではオンラインの塾や予備校など通わなくても学習できるサービスもたくさんあるので、そういった学習サービスをうまく活用するのも良いでしょう。

 

 

 

地域みらい留学 留学中の生活はどんな感じ?

留学中の生活スタイルは、留学する学校によって異なります。住居や食事は留学生活の満足度を大きく左右するので、自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。学校を検討する際にしっかりチェックしましょう!

住む場所・部屋タイプは学校によってさまざま

住む場所(住居タイプ)の種類は、主に ①学校の寮、②下宿(地域の民宿・寄宿舎など)、③ホームステイ(地域住民の家など)の3つになります。

数としては、過去の実績を見ると寮と下宿が大半で(半々くらい)、ホームステイはごくわずかといった感じです。

また、部屋タイプ(暮らしタイプ)は、個室または集団のいずれかになります。

住居や部屋のタイプは、留学先の学校によって異なります。寮のみ、下宿のみ、個室のみ、集団のみの学校もあれば、寮または下宿、個室または集団を選択できる学校もあります。

食事は朝・昼・夕の3食提供のところがほとんど

気になる食事ですが、ほとんどの学校(住居)で毎日、朝・昼・夕の3食(昼は給食・弁当など)が提供されます。

学校(住居)によっては土日のみ2食だったり、また数は少ないですが自炊が可能なところもあります。

ハウスマスターやまち親が留学生の生活をサポート

学校や住居によっては、留学生の住まいや身の回りのサポートをしてくれる人(ハウスマスター、まち親、島親など)を設置しているところもあります。はじめての寮・下宿生活が不安な人は、このようなサポートがいる学校を選ぶと安心です。

 

地域みらい留学をするのにかかる費用は?

留学生活に必要な費用は、おもに以下の3つです。

費用詳細・目安
住居費・月額0〜8万円程度
・月額3〜5万円のところが多い
・住居費の補助が出る地域もあり
食費・住居費に含まれる場合が多い
・朝昼夕で細かく設定しているところもあり
光熱費・住居費に含まれる場合が多い

費用の額は学校(住居)によって異なりますが、住居費・食費・光熱費合わせて『月額4〜6万円ほど』が目安。一見高い気もしますが、都会で過ごす費用(予備校代・交友費・食費・交通費など)を考えれば、意外とリーズナブルに生活できることがわかります。

また、学校によっては住居費が無料だったり、地域によっては町や村から補助金が出るところもあります。留学費用を極力おさえたい人は、そういった学校を候補にすると良いでしょう。

*このほかに通常の高校進学と同様に、公立高校の授業料(各都道府県一律:年額11万8800円 / 月額9900円)がかかります。

 

地域みらい留学 入試倍率はどのくらい?難しいの?

地域みらい留学は、各都道府県の公立高校が設定する「県外生受入枠」での選抜になります(地域みらい留学用の受入枠があるわけではありません)。

なので選抜試験(入試)は、各都道府県の教育委員会が定める公立高校入試要項にのっとって実施されるということになります。

地域みらい留学に参加している高校の偏差値は、どの学校もだいたい同じくらい(次の章を参照)なので、入試の倍率・難易度は、その年の各学校の県外生募集人数と志望者数で決まると言っていいでしょう。

県外生の募集人数は学校によって大きく異なり、3〜4人募集の学校もあれば、20〜40人募集する学校もあります(次の章を参照)。

留学したい学校が絞られてきたら、最新の入試要項を自治体や学校のHPでチェックしたり、説明会やオープンスクールに参加したり、積極的に情報を集めるようにしましょう。

注意!

・『県外生受入枠』での選抜では、他の公立高校との併願はできません。つまり、在住している地元の公立高校と留学先の公立高校との併願はできません

一般入試と推薦入試で、それぞれ異なる公立高校を受験することは可能です。ただし推薦入試の場合、合格した際は入学する意志が確実にあることが条件である場合が多いので、注意しましょう。

 

地域みらい留学できる高校は?偏差値はどのくらい?募集定員は?

2022年地域みらい留学(2023年春入学)の参加高校は、北は北海道から南は沖縄まで32道府県・90校あります(2022年6月現在)。

2021年の参加高校は26道県70校ほどだったので、年々留学を受け入れる高校は増加しています。

ここでは、2022年(2023年春入学)の参加高校、偏差値、募集定員の目安を紹介します。学校名をタップすると各学校のWEBサイトに飛ぶので、あわせてチェックしてみてくださいね。

*2022年6月6日現在の情報です。
*募集定員は変動する可能性があります。学校HPや地域みらい留学ウェブサイト等で最新の情報を確認してください。

*偏差値の数値は、学習情報サイト「みんなの高校情報」や「高校受験ナビ」等を参考に記載しています。

2022年 地域みらい留学 参加高校・偏差値・募集定員一覧

北海道(7校)

学校名偏差値募集定員
福島商業高校3820人
奥尻高校4320人
おといねっぷ美術工芸高校4720人
礼文(れぶん)高校3712人
美幌(びほろ)高校40-4210人
大空高校4012人
釧路工業高等専門学校59上限なし
*1学年160人

青森県(4校)

学校名偏差値募集定員
鰺ヶ沢(あじがさわ)高校434人
柏木農業高校383人
三戸(さんのへ)高校474人
名久井(なくい)農業高等学校392人

岩手県(8校)

学校名偏差値募集定員
葛巻(くずまき)高校3810人
大迫高校394人
遠野高校463人
遠野緑峰(りょくほう)高校40-418人
西和賀(にしわが)高校424人
住田高校394人
大槌(おおつち)高校438人
伊保内(いぼない)高校394人

宮城県(2校)

学校名偏差値募集定員
中新田(なかにいだ)高校425人
志津川(しづがわ)高校
*R5年4月〜南三陸高校に改称予定
38-4012人

秋田県(1校)

学校名偏差値募集定員
男鹿(おが)海洋高校38-39未定

山形県(3校)

学校名偏差値募集定員
新庄北高校最上校39未定
小国(おぐに)高校388人程度
遊佐(ゆざ)高校398人

福島県(2校)

学校名偏差値募集定員
川口高校4040人
只見(ただみ)高校3820人

新潟県(2校)

学校名偏差値募集定員
阿賀黎明(あがれいめい)高校3712人
羽茂(はもち)高校374人

石川県(1校)

学校名偏差値募集定員
七尾東雲(ななおしののめ)高校38-435人

福井県(2校)

学校名偏差値募集定員
丸岡高校485人
若狭高校41-645人程度

長野県(1校)

学校名偏差値募集定員
白馬高校3815人

静岡県(2校)

学校名偏差値募集定員
伊豆総合高校土肥(とい)分校385人
川根高校388人

三重県(2校)

学校名偏差値募集定員
飯南(いいなん)高校392人
昴(すばる)学園高校404人

滋賀県(1校)

学校名偏差値募集定員
信楽(しがらき)高校395人

兵庫県(1校)

学校名偏差値募集定員
村岡高校3940人

奈良県(1校)

学校名偏差値募集定員
五條市立西吉野農業高校-30人

和歌山県(1校)

学校名偏差値募集定員
串本古座(こざ)高校45募集定員の10%程度

鳥取県(3校)

学校名偏差値募集定員
青谷(あおや)高校393人
倉吉農業高校37推薦:3人
一般:制限なし
日野高校390人
*検討中

 

島根県(13校)

学校名偏差値募集定員
情報科学高校3912人
横田高校4412人
飯南(いいなん)高校3916人
大田(おおだ)高校53-638人
島根中央高校4340人
矢上(やかみ)高校37-4115人
江津(ごうつ)高校438人
浜田水産高校3814人
吉賀(よしか)高校3710人
津和野高校4524人
隠岐(おき)高校38-4115人
隠岐島前(おきどうぜん)高校3932人
隠岐水産高校3732人

岡山県(2校)

学校名偏差値募集定員
和気閑谷(わけしずたに)高校39-4012人
勝山高校蒜山(ひるぜん)校地
364人

広島県(3校)

学校名偏差値募集定員
加計(かけ)高校4015〜25人
加計(かけ)高校芸北(げいほく)分校3930人
大崎海星高校4010人程度

山口県(2校)

学校名偏差値募集定員
周防(すおう)大島高校42-43入学定員の20%
大島商船高等専門学校55-56120人
*定員制限なし

徳島県(2校)

学校名偏差値募集定員
城西(じょうせい)高校神山校365人
海部(かいふ)高校41-52110人
*定員制限なし

香川県(1校)

学校名偏差値募集定員
小豆島(しょうどしま)中央高校44-485人

愛媛県(7校)

学校名偏差値募集定員
弓削(ゆげ)高校366人
上浮穴(かみうけな)高校36-379人
長浜高校3718人
内子(ないし)高校小田分校3718人
三崎高校3618人
野村高校3816人
北宇和(きたうわ)高校3718人

高知県(5校)

学校名偏差値募集定員
室戸高校36定員なし
*入学定員は80人
嶺北(れいほく)高校36定員なし
*寮定員は10人程度
梼原(ゆすはら)高校365人程度
四万十高校3710人程度
大方(おおがた)高校-男子2人・女子6人
*寄宿舎の定員数

佐賀県(1校)

学校名偏差値募集定員
有田工業高校45-465人

熊本県(1校)

学校名偏差値募集定員
矢部高校37-4312人

大分県(1校)

学校名偏差値募集定員
久住(くじゅう)高原農業高校37未定

宮崎県(2校)

学校名偏差値募集定員
飯野(いいの)高校42-4624人
高鍋農業高校4116人

鹿児島県(4校)

学校名偏差値募集定員
南大隅高校3780人
屋久島高校39-4215人
古仁屋(こにや)高校389人程度
*寮の空室状況で増減あり
喜界高校38-403人

沖縄県(2校)

学校名偏差値募集定員
辺土名(へんとな)高校3640人
久米島高校3710人

 

地域みらい留学はどうやったらできる?

地域みらい留学の仕組み・流れ

地域みらい留学スタートまでの大まかな流れを紹介します。時期の目安も入れるので参考にしてくださいね。

STEP1:地域みらい留学Webサイトで会員登録(中3の5月〜8月頃まで)

まずはじめに、地域みらい留学のWebサイト(こちら)で会員登録を行います(*留学イベントや学校説明会の情報などをチェックするためには、会員登録が必要です)。

時期の目安は、中学3年の5〜8月頃まで。学校説明会など留学関連のイベントは毎年5月〜9月頃に行われるので、それまでに会員登録を済ませておくと安心です。

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地域みらい留学のWebサイトに会員登録をすると、地域みらい留学のガイドブックがもらえます(中学生のみ対象)。

参加校の詳しい情報などが掲載された充実の冊子です。2,000部限定(2022年実績)なので、早めの会員登録をおすすめします!

 

STEP2:学校説明会など留学イベントに参加する(中3の5月〜9月頃)

地域みらい留学では、参加高校の学校説明会などさまざまな留学イベントを実施しています。コロナ禍の現在ではイベントのほとんどがオンライン(WEB上)開催で、参加はもちろん全て無料です。

実施時期は5月〜9月頃地域みらい留学のWebサイトで最新のイベント情報をチェックして、積極的に参加しましょう。

 

STEP3:志望校のオープンスクールに参加する(中3の8月〜9月頃)

学校説明会や情報収集を経て、留学したい学校が絞れてきたら、各学校が主催しているオープンスクールに参加しましょう

オープンスクールの実施時期は、8〜9月頃。学校によって異なるので、事前にしっかり確認しましょう。

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写真や映像だけでは、なかなか現地の空気感や雰囲気を感じることはできません。実際に学校や地域を訪れ、自分の目で見て、足で歩いて、現地での生活をイメージすることが大切です。

 

STEP4:志望校を決定〜願書など出願準備をする(中3の11月〜12月頃)

志望校が決定したら、願書を準備します。入学願書は、在住している地域の公立高校を受験する場合、在籍している中学校でもらえますが、『県外生受入枠』受験の場合は自分で取り寄せなければなりません

志望校に直接連絡をして、願書を取り寄せます。また同じ公立高校でも入試の仕組みは都道府県によって異なるので、出願に必要な書類等もしっかり確認しておきましょう。

時期の目安は、中学3年生の11月〜12月。ギリギリで慌てないよう、余裕を持って準備しましょう。

 

STEP5:願書提出〜受験〜合格発表(中3の1月〜3月頃)

志望校に願書を提出し、入学審査を受けます。入学審査に合格したら、国内留学の決定です!

願書の提出期限、受験日、合格発表日などは都道府県によって異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

 

地域みらい留学 2022年最新 学校説明会・フェスタ情報

地域みらい留学Webサイトより画像引用

2022年5月末時点で決定している地域みらい留学のイベントは以下のとおりです。

参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。早めに会員登録を済ませて、エントリーしてくださいね。

2022年6月4日(土)・5日(日)
2022年7月9日(土)・10日(日)
2022年8月6日(土)・7日(日)
2022年9月3日(土)・4日(日)・24日(土)

*イベントは変更する可能性があります。地域みらい留学のWebサイトで最新の情報を必ずチェックしましょう。

2022年国内留学イベント&学校説明会 続々開催中!

地域みらい留学のWebサイトはこちら

まずは気軽に会員登録♪


いかがでしたか?

地域みらい留学は、都会を離れてのびのびと高校生活を送りたい人、環境をガラリと大きく変えたい人、不登校などで心をリセットしたい人、親元を離れて自立したい人、とにかくチャレンジしたい人など、いろいろな人にとって高校進学の最良の選択肢の一つになるでしょう。

日本にはまだまだ素晴らしい地域、高校がたくさんあります。少しでも興味のある人は、Webサイトをチェックしたり、留学イベントに参加したり、まずはじめの一歩を踏み出してみてくださいね!

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